公開後に10倍のHPアクセス数!採用にYouTubeを活用し、インフラを支える仕事をより多くの人へ

東亜グラウト工業株式会社

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特殊な工法や海外の最先端技術を用い、インフラメンテナンス事業を展開する東亜グラウト工業株式会社。急成長中の同社では、業界全体の仕事をより多くの人に知ってもらうため、さまざまな広報施策を手掛けています。

その一環として、株式会社エビリーのYouTuberキャスティングサービスを活用し、大学生YouTuber「積分サークル」とのタイアップ動画を公開。HPへのアクセス数向上だけでなく、学生の求職者の獲得にも成功しました。

今回はそのタイアップ企画の裏側と、同社が考えるBtoB企業のYouTube活用について、執行役員の南洞 誠 氏と総務部広報担当の本村 龍裕 氏にお話を伺いました。

最新の技術で日本のインフラを守る東亜グラウト工業

―― 貴社の事業内容について教えてください。

南洞氏(以下、敬称略):一言で言うと、特殊な技術を用いて日本のインフラを守る仕事をしています。弊社では、地盤改良事業、管路メンテナンス事業、斜面防災事業を3つの柱として事業を展開しています。

・地盤改良事業
……地下の工事をする際に、特殊な薬液を地盤に注入して地盤を固める工程のことを地盤改良と呼んでいます。この地盤改良事業は3つの事業の中で一番歴史があり、大きく会社を成長させるきっかけにもなりました。社名の「グラウト」とは、この注入する薬液の名前に由来しています。

・管路メンテナンス事業
……古くなった下水管を補修する事業です。下水管の耐用年数はおおよそ50年と言われており、高度経済成長期に大量に作られた下水管が今、日本中で耐用年数を迎えているという問題が発生しています。放っておくと道路が陥没する事故につながり、実際に年間で約3,000件もの事故が起きているのです。管路メンテナンス事業では、そうした事故を防いでいます。

・斜面防災事業
……山の斜面に強力な網ネットを張って、落石や崩壊土砂等から人命財産を守る事業です。この網ネットで山の斜面を補強する技術はもともと山に囲まれたスイスで生まれたもので、この進んだ技術を日本に導入したことで、弊社はこの分野のパイオニア的な存在になっています。

この3つの事業を手掛ける社員はグループ連結で280名ぐらいで、毎年およそ5名前後の新入社員を採用しています。

インフラを支えるこの業界を知ってもらいたい

―― 貴社事業の広報では、どのような目標を掲げているのでしょうか。

南洞:社名の認知を高めたいという目標もあるのですが、それ以前にインフラの保守・点検を担っている業界全体の認知を高めたいという思いが一番にあります。管路メンテナンスといったインフラの仕事は99%が国や自治体が発注する公共事業なので、対企業に向けて認知を広げても売上に直結するわけではありません。

皆さんの生活インフラを陰ながら支えている私たちの仕事を、弊社を通して少しでも知ってもらえればと思ったことが広報の出発点です。また、斜面防災事業をはじめ、業績は急速に伸びており、新入社員だけでなく中途社員もより積極的に採用したいため、業界と社名の認知向上を目指しています。

―― これまでどのような広報をされてきたのでしょうか。

南洞:弊社は中小企業ですので、広報予算はとても限られています。新聞や雑誌への広告出稿といったマス向けの施策にほとんどの予算を使っていました。しかし、なかなか効果を実感することができず、いままでの施策に疑問が沸いてきたのです。大きな予算でなくとも、工夫によってより高い広報効果が得られるのではないかと考えました。

そこでまずホームページを刷新したり、スポーツチームへ協賛したり、講演活動を行なったりと新しい広報のスタイルを模索し、それぞれの施策で一定の効果がありました。そのなかで「動画」に関しても活用を検討し始め、会社紹介動画を作ったり、YouTubeチャンネルを立ち上げ、過去に撮りっぱなしになっていた動画を掘り起こしてアップロードしたりしたところ、一定の効果があったのです。そこで今度は新作の動画を活用した施策を検討することになりました。

―― 動画施策の中でなぜYouTuberを起用することになったのでしょうか。

南洞:弊社社長のアイディアがきっかけです。社長はとにかく定量的な効果を出すことを大事にしており、それは売上や利益だけでなく、広報でも同じです。とりあえず立ち上げた弊社のYouTubeチャンネルは、上手くいっても視聴数は800までしか伸びないのに、世の中のYouTuberさんの動画は、何十万回も再生されていることに着目し、YouTuberさんとタイアップすることで視聴数を伸ばせば、広報でも成功するのではと考えたのです。

最初に私がその社長の案を聞いた時には、社会インフラ事業と若者のYouTuberさんはかなり離れているのでは……、という懸念はありました。ただ、弊社の社長はそういった新しい施策で、会社と業界に新しい風を吹かそうとしている人でして、今回も「やったことがないからこそ、とりあえずやってみてから判断しよう」と決断したのです。

YouTubeに詳しくない企業でも分かりやすい提案内容

―― YouTuberをキャスティングするにあたって、今回エビリーにご依頼された経緯をお聞かせください。

南洞:きっかけは2019年の商談会で、弊社の希望でエビリーさんにお会いしたことです。商談会に参加する企業のリストの中で、ちょうどエビリーさんがYouTuberさんのキャスティングを行なっているということで、ぜひお話を伺いたいと思っていました。

―― お取り組みを決断される上で、最も高評価であったポイントについてお聞かせください。

南洞:エビリーさんからのご提案が、非常に現実的かつ具体的だったからです。そして、YouTuberさんに詳しくない弊社にとっても分かりやすいご提案内容でした。ご提案内容も金額ごとにプラン内容が変わっており、「これだけのお金をかけたら、こんな施策ができて、こんな効果が出る」と、費用対効果が非常に分かりやすかったのです。「これならできる」という確信もあり、あとは選んだコースの中でYouTuberさんを選ぶことに集中できました。

また、同じくらいのチャンネル登録者数でも、ジャンルが近いYouTuberさんがいくつもリスト化されており、選択肢の幅と企画の深さが高評価のポイントでした。弊社としては断る理由が何もないという状態でしたね。

「kamui tracker」でイメージどおりのYouTuberをキャスティング

―― YouTuberのキャスティングではどのような軸で選ばれたのでしょうか。

南洞:大前提として、リストでご提案いただいたYouTuberさんは弊社の事業をよく理解されてご紹介いただいているという実感がありました。弊社は技術力で培ってきた歴史があり、そして新卒の採用のためにも社名を周知したいという課題があるということで、大阪大学の学生によるグループYouTuber「積分サークル」さんをご紹介いただいたのです。まさにイメージどおりのマッチングでした。

大谷:キャスティングでは、弊社が運営している「kamui tracker」というツールを活用しました。データベースの中から、東亜グラウト工業さんに適した「理系」「大学生」といったキーワードで検索をかけ、その中からチャンネル登録者数や最近の勢いなどを加味してリストを作成しています。

「kamui tracker」のよいところは、有意性の高いデータを算出できるという点です。ただチャンネル登録者数が多いYouTuberをリスト化するのではなく、登録者数に見合った視聴回数を獲得できているか、動画の更新頻度など、複数の指標から最適なキャスティングが実現できています。

―― 企画内容にはどのようなリクエストをされたのでしょうか。

南洞:弊社からは企画に一切口を出さないという方針を最初から決めていました。というのも、若い感性に任せたほうがYouTubeに合った良い動画になると考えていたからです。

そこでご提案いただいた企画が、千葉の拠点への工場見学とドッキリをかけ合わせるというもの。グループの代表のキムさんが現場に潜入し、他のメンバーの方にドッキリを仕掛けるというのが大まかな内容です。一度お打ち合わせをさせていただき、積分サークルさんから企画内容をご提案いただいた後、エビリーさんのご担当者である大谷さんに企画内容の骨子を整理していただきました。ご提案の内容は若い感性が感じられる、私たちには思いつかない素晴らしい企画だったと思います。

公開後のHPアクセス数は10倍。学生2人の採用面談も実現

―― 当日の撮影についてお聞かせください。

南洞:弊社の拠点では普段から社会科見学を受け入れていましたので、特に特別な準備は必要ありませんでした。ただ、ドッキリをする関係で通常よりも現場で働いている人数を増やしたくらいでしょうか。撮影はおよそ半日で終わりまして、特にトラブルもありませんでしたね。動画撮影からおおよそ3週間後に、編集も終わった動画を確認させていただき、弊社からの修正はないまま、無事に公開されました。

―― 最初に動画を確認されたときのご感想をお聞かせください。

南洞:当初は展示会や営業でも再利用できるかなという下心がありました。しかし結果的に、当社のPR用の動画には活用できない動画だと感じました。これは悪い意味では全くなく、良い意味での評価です。弊社では絶対にできないテイストの動画に仕上げてくださり、動画の内容も面白かったと思います。動画の公開日には社長からも「なんだかものすごい視聴数だね。想定以上の反響だと思う」という感想がありました。

―― タイアップ動画の定量的な成果についてお聞かせください。

本村氏:視聴数では24万再生まで伸び、800近いコメントもいただけました。概要欄に弊社ホームページのURLを載せていたこともあり、動画公開日のアクセス数は通常の10倍以上、1ヶ月後でも通常の2倍はアクセス数が増えています。主にモバイル(スマートフォン)からの検索が多いので、やはり若い世代への認知が得られたのだと思います。

また、コメントの中には弊社のことをすごく褒めてくださる内容もありましたね。でもそうした弊社へのコメントではなく、「積分サークルに案件がきて嬉しい」「積分サークルが偉くなった」といったコメントのほうが嬉しかったのです。案件を通して、積分サークルさんという良いパートナーを得ることができました。

―― 社外からの反応はいかがでしたか。

南洞:出張して授業をしている学生さんからは「積分サークルさんに出ていた企業さんですね」という反応がありました。また、普段お付き合いしている大学教授さんからも「大学生からYouTubeの話を聞きました」という感想をもらいましたね。弊社にもいくつか直接メールがきたこともあり、その中にはYouTube経由で採用面談を受けた学生が2人もいました。しかも関西の大学生で、わざわざ東京まで面接にきてくれたことは驚きでしたね。

結果として、若い世代への業界と弊社の周知活動という当初の目的は達成できたものだと考えています。

「餅は餅屋」に任せ、次のYouTube施策へ

―― 今後のYouTube施策についてお聞かせください。

南洞:積分サークルさんとは撮影日に少しお話しさせていただき、また別の機会で一緒にお取り組みができたら、とお話ししました。今度は山の現場をテーマに何か企画を考えていただくのも、面白いかもしれませんね。また、別のYouTuberさんとのお取り組みにも興味がありますし、ぜひエビリーさんとは次の一手も進めたいと考えています。「餅は餅屋」という言葉もある通り、YouTubeはエビリーさんとYouTuberさんにお任せするのが一番だと思います。

―― 貴社全体の今後の展望についてお聞かせください。

南洞:我々の事業は、地下や山の斜面といった表に出てくる仕事ではなく、いわゆる「縁の下の力持ち」である業界です。華やかではありませんが、絶対に必要な仕事であるというプライドがあります。我々の仕事を、いろいろな形で少しでも知っていただき、業界全体に貢献できればいいな、というのが本音です。

―― 最後に、YouTubeの活用を検討されているBtoB企業に向けてアドバイスがあればお願いします。

南洞:実は今回の動画を公開するにあたり、役所や省庁の方にご迷惑にならないかと相談しています。「炎上したり、事故があったりすれば責任を取れるのか」と聞かれたのですが、YouTubeに知見のある企業が間に入っていますと説明したところ、一発でお墨付きを頂けました。やはり、経験のない新しいことをするときには、経験と実績のある企業さんと一緒にお取り組みをするのが一番でしょう。

―― ありがとうございました。