発売直後のブーム以来の快挙!店頭回転1.3倍・ターゲットの認知率1.7倍を導いたYouTube施策とは

オハヨー乳業株式会社

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2022年には発売から30周年を迎える「新鮮卵のこんがり焼プリン」をはじめ、確かな製造技術と品質へのこだわりを武器にさまざまな乳製品を展開するオハヨー乳業株式会社。2017年に発売された「BRULEE(ブリュレ)」を再び話題化し、販売数を増加させるため、株式会社エビリーのYouTuberキャスティングサービスによるタイアップ施策及びYouTube広告配信を実施しました。

「発売直後のブーム以来の快挙」と語る同社マーケティング戦略本部カテゴリー戦略部​​フローズン企画課、和田 卓也 氏に、お取り組みの背景や施策の成果についてお話を伺いました。

オハヨー乳業の製造技術と品質へのこだわりから生まれた「BRULEE(ブリュレ)」

ーー 貴社事業についてお聞かせください。

和田 卓也 氏(以下、敬称略):オハヨー乳業は岡山県に本社を構える、乳製品メーカーです。飲料やデザート、ヨーグルト、アイスクリーム、この4つのカテゴリーを中心に製造販売をしています。特に乳加工の製造技術や品質に大きな強みを持っておりまして、この強みをマーケティング活動に生かしていくことが我々の課題になっています。

ーー 今回の施策で取り上げられた商品である「BRULEE(以下、ブリュレ)」についてお聞かせください。

和田:「ブリュレ」は2017年に発売されたプレミアムアイスです。社内でも一大プロジェクトでして、原料のこだわりはもちろん、「アイスを焼く」という製造工程を実現するのが非常に難しく、7年もの開発期間がかかっています。弊社の定番商品である「新鮮卵のこんがり焼プリン」で培ったノウハウを生かしつつ全く新しい製法を確立しており、実際に焼き上げることで得られるパリパリ感や香ばしい風味を実現するキャラメリゼと、濃厚でコクのあるミルクアイスのハーモニーが一番のポイントです。

発売当初は約2週間で売り切れてしまうほどご好評いただきまして、現在は定番商品としてのポジションを確立しています。今回は再度このブリュレを話題化させ、売り上げを伸ばすためにYouTubeを活用することにしました。結果として、発売直後のブームに次ぐ過去2番目の店頭回転を記録してます。

より多くのユーザーへ、商品の魅力をしっかり伝えるためにYouTuberタイアップを選択

ーー 貴社が抱えるマーケティングの課題をお聞かせください。

和田:正直なところ、弊社はマーケティングがあまり得意ではなく……。ものづくりに非常に強いこだわりを持っている反面、商品をお客様に知ってもらい、継続的なファンを育成していく取り組みは十分ではありませんでした。

2017年のブリュレ発売当時もTVCMといった施策は行なっておらず、発表会やサンプリングといったオフライン施策がほとんどでして、マーケティング力よりも商品力で勝負してきたことが課題でした。

ーー 今回の施策でYouTubeを選ばれた理由をお聞かせください。

和田:ブリュレは通常のアイスと比較すると高い価格帯であるため、ただ興味を惹くだけでは購買には繋がりにくく、たった15秒のTVCMは不向きだと考えました。過去エビリーさんを介してYouTuberタイアップを実施した際、効果が実感でき、また詳細なレポートから振り返りがしやすかった点もYouTubeを選んだ背景にあったと思います。

今回はキャラメリゼのパリパリ感やアイスのおいしさをしっかり伝えられるメディアとしてYouTubeを選びました。
YouTubeは広く認知を獲得できるだけでなく、長尺動画でじっくりと商品の良さを理解してもらえるという点も、ブリュレの魅力を伝えるために最適だと考えました。

急成長YouTuberを軸に据え、3つの専門チャンネルをバランスよくキャスティング

ーー 今回のYouTuberタイアップにおけるターゲットとKPIを教えてください。

和田:ブリュレのターゲットは「20代〜30代の女性」と設定しており、ブランドメッセージには「幸せの余韻」という言葉を掲げています。YouTube上の具体的なKPIとしては、視聴回数とエンゲージメントを置きました。

ーー エビリー社はどのように提案を進めたのでしょうか。

熊倉 俊(エビリー社担当):まずは案件に最適なYouTuberを探すことから始めました。弊社が提供するツールの『kamui tracker(カムイトラッカー)』で、平均視聴回数や視聴回数の予測値、そしてチャンネル登録者数の成長率が高いYouTuberを検索してご提案しています。

あわせて、与件にもございましたYouTube広告のプランニングもさせていただきました。広告単価を抑えつつも、効果が最大化できるようなターゲティングを行なっています。

ーー キャスティングしたYouTuberの詳細を教えてください。

熊倉:今回は4組のYouTuberをキャスティングしておりまして、マーケティングにおける役割を分担させています。チャンネル登録者数150万人を超える影響力がとても強い二人組のYouTuberを軸とし、それぞれに専門性があるYouTuber3名をアサインしました。

軸としたYouTuberは、エンターテインメント系で今急成長しているYouTuberですので多くの視聴回数と認知を獲得できると考えました。他3組のYouTuberは、スイーツ特化のチャンネル、ブリュレのパリパリ感を伝えられるASMR系チャンネル、「幸せの余韻」というブランドメッセージに合致した一人暮らしのOLのチャンネルと、ジャンルが被らずに別々の表現でブリュレの魅力が伝えられるように配慮しました。

タイアップ素材をYouTube広告として配信することでリーチを最大化

ーー広告配信について、詳細を教えてください。
熊倉:軸とするYouTuberの動画を、ダイジェストの形で切り取り、YouTube広告として配信しました。短尺・長尺2つのクリエイティブを用意して配信を最適化しています。

和田:広告配信を行った目的としては、大きく二つありました。一つは、店頭での露出が最大となるタイミングで短期間にリーチを集中させる必要があったこと、二つ目は、本動画への視聴誘引が目的です。

熊倉:広告配信を組み合わせることにより、タイアップするYouTuberのファン以外のターゲット層にもリーチすることが可能になります。YouTube上ではYouTuberのコンテンツが受け入れられやすいと考えており、こういったコンテンツで広告を配信することが有効であると考えています。

ーー 広告の配信で工夫した点などはありますか?

熊倉:広告のプランニングにあたっては、適切なターゲティングを行うことで、配信の効率化を図りました。
具体的には、今回のプロモーションのターゲットに絞ったオーディエンスターゲティングと、他のお菓子レビュー動画を中心としたプレースメントターゲティングでの配信を実施しております。プレースメントターゲティングの設計にあたっては、『kamui tracker』を活用して親和性の高い動画を選定しています。

ーー 提案内容全体に対するご感想をお聞かせください。

和田:当初の想像を超える、非常にわくわくする提案だなと感じました。YouTuberの起用がデータに裏付けされて定量的に提案されており、KPIが達成できるイメージが湧きましたね。

ご担当者の方もYouTubeに対する深い知見を持っていたので安心してお任せできましたし、振り返りレポートも具体的で今後の再現性があると感じました。

また、エビリーさんはYouTuber事務所ではないので、案件に対して最適なYouTuberさんをしがらみなく、フラットにアサインできることも魅力的なポイントです。

店頭回転率1.3倍・ターゲット認知率1.7倍と、認知・購買の両面に大きな効果

―― 今回のYouTube施策の定量的な成果をお聞かせください。

和田:タイアップ動画の視聴回数はKPIに対して110%、CPV(1視聴あたりの費用)も大きくクリアしており、とても満足できる結果でした。タイアップ動画は通常動画よりも視聴回数が落ちる傾向にあると思うのですが、通常動画の平均視聴回数も上回ることができていたので、価値ある成果だったのではないでしょうか。これはYouTuberさんの特色を損なわないバランス感覚で動画を作っていただいた結果と捉えています。

―― 店頭での販売には成果はありましたか。

和田:コンビニ店頭の商品回転数が、これまでの1.3倍になりました。これは繰り返しの発注が大きく増えたことを意味しており、動画公開1ヶ月後の調査では、2017年の発売以降で2番目の回転率、また1.7倍のブランド認知率*となっており、販売直後のブーム以来の快挙です。

*ブランド認知率:インターネット調査で、ターゲットユーザーである20〜30代女性を対象に行った調査結果から

―― 広告配信の効果はいかがでしたでしょうか。

和田:広告配信によってタイアップの効果が補完できたという手応えがあります。リーチ単価や視聴単価の面でも効率的であったといえますし、長尺・短尺の2つのクリエイティブパターンを試すことで今後につながる知見が得られたこともプラスでした。

熊倉:効果的な広告配信となった背景にはYouTube上で知名度のあるYouTuberを起用したことも背景にあると考えます。いわゆる、テレビCMのような素材を流すのではなく、その媒体で絶対的な知名度があるYouTuberを起用したことが、好結果の裏側にあると考えています。

―― 社内からの反応はいかがでしたか。

和田:動画が公開されるまでは、少し懐疑的な意見もありました。しかし、公開された動画を社内に告知してからは、非常に好意的なコメントがたくさん寄せられたのです。

社内への報告では、エビリーさんに作成いただいた振り返りレポートにとても助けられました。単にタイアップ動画の数値的な報告だけでなく、コメントの抜粋やUGC(SNS投稿といったユーザー発信のコンテンツ)の事例、広告配信によるブランドリフト調査結果、それらから得られる考察などが記載されていた点も高評価です。

また、実際の商談の場で実際にYouTubeの動画を見せて会話のきっかけにしたという活用事例も耳にしました。

―― 他の施策と比較したときの特徴などはありましたか?

和田:他の施策と異なり、動画公開後も長い時間をかけて効果が出続けていることは評価できる点です。
また、購買を直接的に喚起する力が強いということがわかりました。インターネット上の振り返り調査では、「動画サイトで知ってブリュレを購入した」という消費者が、他のSNSでブリュレを知った消費者を大きく上回っていたのです。これは視聴者が、長い時間動画に接触した結果でしょう。また、企画の大部分をYouTuberに委ねたことで、広告色が薄い動画となったことも背景にあると思います。

認知から購買までカバーできるYouTube施策を今後も活用したい

―― 今後の展望をお聞かせください。

和田:ただ商品を知ってもらうだけでは購入につながりにくいと考えていますので、認知から購入検討までをフォローできる施策を今後も行っていきたいと考えています。

今回のYouTube施策では、回転率が1.3倍という結果となりましたが、他の施策でここまでの効果を得ることは難しいです。ですから、認知と購買の効果が高く、社内の理解も得られたYouTube施策は、今後も継続的に検討していければと考えています。

また、今回の自社調査の結果、YouTube施策は商品の「親しみやすさ」に対して特に効果があると判明しました。こうして得られた学びは、ぜひ次回の施策にも活かしていきたいですね。

―― YouTube施策を検討されている方へメッセージをお願いします。

和田:YouTube施策は、知見がない状態から始めるのは相当難しいことです。だからこそ、まずはエビリーさんのようなノウハウや経験をお持ちのパートナーとしっかり組んで進めることが、成功への第一歩だと思います。

―― ありがとうございました。

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