YouTube・TikTokの登録者数15万人を突破した企業チャンネル運用。高クオリティの動画を毎日投稿できるワンチーム体制とは

ディップ株式会社

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日本最大級の求人情報サイト「バイトル」や「はたらこねっと」を運営するディップ株式会社。主に人材サービスとDXサービスを展開する同社では、マーケティングの強化を目的にソーシャルメディア課を設立し、動画コンテンツの発信に注力しています。

現在同社で運営しているYouTubeの「僕らの凸げき日記」、TikTokの「バイトル会社員の日常」において、安定した投稿体制の確立と視聴者、フォロワーの獲得を目的に株式会社エビリー(以下、エビリー社)とお取組みを実施しています。お取組みの背景や課題、エビリー社との取り組みを決めた理由、そして取り組みによる成果について、商品開発本部 マーケティング統括部 コミュニケーション戦略部 ソーシャルメディア課 課長の、寄藤紀子 氏にお話を伺いました。

「夢とアイデアと情熱で社会を改善する」ために。ディップ社の取り組み

ーー 貴社の事業概要について教えてください。

寄藤紀子 氏(以下、敬称略):私たちディップ社は「夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる」という企業理念のもと、社会のために何ができるのかを常に考え、人材サービスをはじめ数多くの事業に取り組んでいます。

例えば、2021年には新型コロナワクチン接種を促進する「ワクチンインセンティブプロジェクト」を実施し、ワクチン接種の加速による安心・安全な社会を目指しました。

また現在、人手不足の解消と働く人の待遇向上を実現するため、企業へ時給アップを働きかける「時給アッププロジェクト」を実施しております。さらに今期は、年齢差別がない社会の実現に向けた取り組みや、生成系AI技術を活用した「AIエージェント事業」の立ち上げを目指しています。

ーー 現在所属している部署のミッションについて教えてください。

寄藤:マーケティング統括部のミッションは、会社全体の売上と利益を高めるため、マーケティングへの投資とその意思決定をすることです。そのために自社が狙うべき市場でのポジションやターゲット層、クライアントのニーズを明らかにし、商品やサービスが売れる環境を形成しています。

ソーシャルメディア課では、1年前に立ち上げられた部署で、コンテンツ開発とチャンネル運用に取り組んでいます。私を含めた6名のメンバーでYouTube、TikTok、Twitter、Instagramの公式アカウントを運営しています。以前は媒体ごとに担当者を割り振っていたのですが、現在はメンバー全員が月7本以上の動画企画を出し、撮影をリードする週替りの担当制を採用しています。一人ひとりが企画に対して視聴回数の責任を持っていること、そして動画コンテンツに注力していることが特徴です。

求人サービスの課題「ユーザー関与度」向上へ。ソーシャルメディアを活用した“友達づくり”

ーー マーケティング戦略において、どのような課題からソーシャルメディアの活用を始められたのでしょうか。

寄藤:求人サービスが抱える一番の課題は、媒体ごとに掲載されている求人内容に大きな差はないため、サービスの競合併用率が高いカテゴリーであること、つまり「〇〇のサービスだから使おう」というユーザーの関与度が非常に低いことです。それゆえ、ユーザーがバイトをしたいと思ったときに接触できるかが重要です。例えばSEOやアプリなどは接触頻度を高めることに貢献します。

関与度の課題に加えて、昨今は若年層からの求人サイトに対する信用度が低いことも悩みです。以前に若年層の声をリサーチしたところ、「求人サイトの情報はいいことばかり載っていて信用できない」というネガティブな感想が多く寄せられ、ユーザーからフェアに共感されるようなイメージを創出することが急務でした。

さらに、大手飲食チェーン店はTVCMなど広告投資ができますが、地方の中小企業だとなかなか予算・リソースをさけず、リーチ施策が打てないという話を営業から聞いていました。

要望に合わせた柔軟な制作体制で、クオリティも安定した動画投稿を実現

ーー マーケティングの課題を解決するため、どのようなアクションを取られたのでしょうか。

寄藤:競合他社が本腰を入れていなかった、YouTubeとTikTokでの自社チャンネル運用を行うことになりました。「何を言うかではなく、誰が言うか」が重要とされる昨今、弊社の顔となるチャンネルを持つことで、ファン(登録者)との関係性を深め、サービスの訴求力をあげられるのではと考えたからです。

すべてのチャンネル運用をマーケティングフレームワークに当てはめ、「内容」から「実行」まで、網羅的に課題を解決しました。特にアルゴリズム解析とサクセスクライテリアの設定を運用開始前に実施したことで、バズ打率を上げ、チームの共通認識を整えたことが、安定した投稿につながったと考えております。

ーー エビリー社とのお取組み以前は、どのような課題がありましたか?

寄藤:エビリー社との取り組み前の課題として挙げられるのが、継続的に動画を投稿するための制作体制の安定性が足りなかったことです。企業アカウントとして一定以上のクオリティを維持しながら、視聴者を飽きさせない定期的な動画投稿は、本当に大変でした。

藤井(エビリー社担当):ただ動画を制作するだけではなく、そこに企業としてのこだわりや視聴者からの反応や動画のトレンドを盛り込んでいくと、安定した動画制作の難易度が上がります。今回の取り組みでは、ディップ社からのご要望にフィットする、そして課題を解決できる柔軟な制作体制をご提案しました。

具体的には、ディップ社の皆さんが持つ熱量を大事にするため、企画案出しはお任せしつつも、弊社も動画のプロとして企画内容のブラッシュアップは一緒に行います。メインの業務として弊社は動画構成の作成からロケの手配、撮影、編集、動画の振り返りを担っています。動画の振り返りでは、当社の分析チームの見解やトレンドの共有、そしてクリエイティブ視点からのディスカッションをしています。

「スピード感と対応力、そして一緒に走り続けるオーナーシップに感謝しています」

ーー 今回の取り組みの概要をお聞かせください。

寄藤:今回の施策で対象となるチャンネルはYouTubeの「僕らの凸げき日記」、TikTokの「バイトル会社員の日常」の2つで、YouTubeは週2本、TikTokは毎日1本は動画投稿をしています。

取り組みの進め方として、毎週定例会を開き、直近のチャンネルデータをベースに企画案をディスカッションして、編集や撮影にすぐ反映しています。企画案出しから動画投稿までは、TikTokでおよそ1~2週間、YouTubeは3〜4週間という、非常に短い制作スパンでご協力いただいています。

日々向上していくスピード感と対応力、そして一緒に走り続けるオーナーシップにとても感謝しています。

藤井:同じゴールを目指し、ワンチームで取り組ませていただいている実感がありますね。ディップ社の皆さんは若い方が多く、視聴者ニーズをよく理解されているなと感じています。一方で弊社側のプロダクションは、動画の制作経験を積んでいる30歳以上が多く、自然と役割分担ができています。

寄藤:エビリー社で開発されたYouTubeデータ分析ツール『kamui tracker(カムイトラッカー)』を活用しているので、振り返りのデータは定量的で、分析の確度も高いなと感じています。この点が、特に他社の制作会社や広告代理店にはない強みですね。

登録者15万人達成と視聴回数4,500万回超え!会社の売上拡大に貢献

ーー 今回の取り組みでは、どのような成果を得ることができましたか。

寄藤:定量的な成果として、取り組みの全期間でYouTube・TikTok合わせて視聴回数は4,500万回を記録したこと、登録者が15万人達成したことが挙げられます。これは、当初計画比1,000%と、予想を大幅に上回る結果となりました。

また、営業支援として、会社のコアビジネスにも貢献できています。ある大手飲食チェーンのお客様との商談でYouTube動画制作と投稿を提案したところ、メディア掲載の予算を増額いただくことができました。そのお客様は、これまでずっと他社の求人メディアに多くの予算を投下されていたのですが、私たちのYouTube動画への掲載も含めてご提案したことによって、他社を上回り掲載の予算額が1位となったのです。

ーー 社内からはどのような評価がありましたか。

寄藤:社内からはとても高い評価を受けています。TikTokに出演している女性社員インフルエンサーが先日、活躍した社員に贈られるVP(Valuable Player)に表彰されました。弊社では、2年目の社員が社内でVPの表彰を受けるのは異例のことです。

もともとYouTubeとTikTokでそれぞれ1年で1万人の登録者(フォロワー)獲得を目標としていたのですが、早々に達成することができたため、現在は30万人の登録者獲得に向けて取り組んでいます。

また、営業担当者からも営業支援ツールとしての活用を期待されており、すでに複数の大手企業との動画制作を企画しています。

企業アカウントを成長させるポイントは、継続的な改善と適切なアドバイス

ーー 今後の動画活用の展望をお聞かせください。

寄藤:まずは30万人以上の登録者やフォロワーを獲得し、「このアカウントの言うことであれば信頼できる」という状態を目指します。ただ、これまでのフェーズでは視聴者やフォロワーを増やすことを最優先していたため、登録者を維持し続けるシリーズ展開も検討していきたいです。さらには、営業支援の取り組みを強化し、YouTubeとTikTokがお客様のブランディングとリーチ拡大に貢献できる存在になれればと思います。

ーー YouTubeやTikTokの活用を検討している企業に向けて、メッセージをお願いします。

寄藤:普段からYouTubeやTikTokを視聴している人でも、いざ企業としてコンテンツを発信する場合、最初は何から手を付ければよいか分からないですよね。弊社も最初からうまくいっていた訳ではありません。

リサーチや企画、動画の改善を日々繰り返し続けること、そして適切なアドバイスをしてくれる存在がいれば、少しずつ成長の兆しが見えてくるはずです。弊社にとってエビリー社の皆さんは、ワンチームとしてYouTubeやTikTokに向き合い、相談に乗ってくれる“お兄さん”のような存在でした。

これからYouTubeやTikTokに取り組む方とは、同じ“企業の中の人”として、ソーシャルメディア界隈を一緒に盛り上げていけたらいいなと思います。

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