YouTuberタイアップの基本-効果やメリットと成功事例-
「YouTuberタイアップ」と聞いてピンと来る人はまだ多くないかもしれません。いわゆる「企業案件」「PR案件」と呼ばれるもので、YouTuberが企業の商品やサービスを自身のチャンネル内で宣伝するプロモーション方法です。
今回は、今さら聞けない「YouTuberタイアップ」の基本的なことと、タイアップ成功のための戦略とコツについて解説していきます。SNSマーケティング担当者必見の記事です!
目次
- YouTuberタイアップとは
1.1.YouTuberタイアップは商品プロモーション手法の一つ
1.2.YouTuberタイアップの重要性
1.3.なぜYouTuberタイアップが注目されるのか - YouTuberタイアップのメリット
2.1.アクセス数の多さと視聴者層の幅広さ
2.2.ターゲット層へのリーチ
2.3.コンテンツの幅広さとクリエイティブ - まずはじめにやること|タイアップの手順を理解する
3.1.タイアップの目的を決める
3.2.ターゲットに合わせたYouTuberを選定する
3.3.企画調整をする
3.4.分析・振り返りをする - 実際に効果はあるのか?|タイアップ成功事例
4.1.事例1|オハヨー乳業
4.2.事例2|ヘンケルジャパン
4.3.事例3|京セラぷらら - YouTuberタイアップを成功させるための戦略とコツ
5.1.明確なゴールを設定する
5.2.具体的なターゲットを設定する
5.3.YouTube広告も利用する
5.4.最適な振り返りをして次に生かす - まとめ|商材や目的にあったYouTuber選定を
1. YouTuberタイアップとは
まずは「YouTuberタイアップ」と呼ばれるマーケティング手法の基本的なところを解説していきます。
1.1. YouTuberタイアップは商品プロモーション手法の一つ
YouTuberタイアップは、YouTuberが自身のチャンネルで、企業から依頼された商品やサービスを紹介することで、それらの商品やサービスの認知度を高めたり購入・利用へ繋げる手法です。YouTuberからは「企業案件」や「PR案件」とも呼ばれます。
YouTuberタイアップは、近年注目されるようになったマーケティング手法であり、日本でも多くの企業がYouTuberタイアップを採用しています。またYouTuberタイアップは、SNSマーケティングの中でも動画コンテンツを使った手法であるため、より深く訴求ができるというメリットがあります。
1.2. YouTuberタイアップの重要性
YouTuberタイアップは、世代を問わず商品やサービスを認知させる効果が期待できます。なぜなら、若者を中心に利用されがちなSNSの中でもYouTubeは幅広い世代に利用されているからです。60代以上でも50%以上の人がYouTubeを利用しています。
さらにYouTuberが持つファン層は、YouTuberに共感してくれる視聴者であることが多いため、YouTuberがオススメする商品やサービスに対する信頼性が高まります。このため、YouTuberタイアップを行うことで、商品の認知度を高めることができ、販売促進に結びつけることができます。
1.3. なぜYouTuberタイアップが注目されるのか
YouTuberタイアップが注目される理由は、大きく2つあります。
1つ目はYouTuberの動画が、広告やテレビCMに比べてリアルな人間性を表現していることでファン層のエンゲージメントを高め、信頼性を獲得しているからです。YouTuberは、自身のチャンネルで、普段の生活や趣味などを紹介しているため、ファン層はYouTuberに共感できる、もしくは憧れを持っている人々からなる傾向があります。このため、YouTuberがオススメする商品やサービスに対して、ファン層の信頼性が高まるとされています。
2つ目に、企業が自身のチャンネルを開設しなくてもアプローチができるハードルの低さが挙げられます。チャンネルを開設すること自体は無料でできますが、継続的な運用や動画の撮影編集など、工数だけでなくスキルも必要となってくるため運営するハードルはやや高いです。一方でYouTuberタイアップは、YouTuberの動画や概要欄の中で商品・サービスをPRしてもらうため、チャンネル開設の準備やスキルなどは必要ないことが、参入しやすく注目される理由の一つだと考えられます。
2. YouTuberタイアップのメリット
2.1. アクセス数の多さと視聴者層の幅広さ
1.2. でもお伝えした通り、YouTubeはSNSの中でも月間7,000万人以上のユーザーが利用する大きなプラットフォームであり、利用する年齢層も幅広いところが特徴です。つまり、YouTubeは他のSNSに比べて年齢層や性別問わずターゲティングがしやすく、多種多様な商品・サービスに対応ができます。
また、既にある程度のチャンネル登録者数を獲得しているYouTuberにPRをしてもらうため、集客の必要などがありません。
2.2. ターゲット層へのリーチ
YouTuberは特定のジャンルに特化したチャンネルを持っているため、ファン層(視聴者層)を想定しやすいです。そのため、年齢や性別問わず訴求するテレビCMよりも、狙ったターゲットに動画が届く可能性が高まります。また、Web広告やテレビCMのように広告費を払っている間しか露出されるものではなく、一度投稿すれば半永久的にYouTube上に残ることもメリットの一つとして挙げられます。
なお、国内最大級のYouTubeデータ分析ツール『kamui tracker(カムイトラッカー)』ではYouTubeチャンネルごとの視聴者層の推測データを見ることが可能で、よりターゲットに合わせたYouTuberタイアップの提案を可能にしています。
2.3. コンテンツの幅広さとクリエイティブ
YouTuberは独自のクリエイティブ性があり、多種多様なコンテンツを発信しています。そのためYouTuberタイアップでは、様々なアプローチで商品やサービスを紹介することができます。
例えば、はっきりと商品を紹介する方法もあれば、Vlogとして日常の中に商品を自然に盛り込んで紹介する方法もあります。YouTuberが持つクリエイティブ性を活かした企画を立てることで、商品やサービスをより魅力的にアピールすることができます。
3. まずはじめにやること|タイアップの手順を理解する
それでは次に「YouTuberタイアップ」のやり方を説明します。いきなりYouTuberを選定するのではなく、しっかり目的を定めるところから始めていきます。
3.1. タイアップの目的を決める
YouTuberタイアップを行う前に、タイアップの目的を明確にすることが必要です。例えば、「商品の認知度を上げるため」、「新規顧客を獲得するため」など、目的によってタイアップにおけるKPIやコンテンツ内容の方向性が異なってきます。目的が明確になっていることで、より効果的なタイアップが実現できます。
上記の目的の中で「認知拡大」が最も難易度が低く、「購買促進」が最も難易度が高くなります。
3.2. ターゲットに合わせたYouTuberを選定する
ターゲット層に合わせて、YouTuberを選定することも大切です。もちろん、商品やサービスの特徴との相性も重要です。YouTuberのファン層の購買意欲や反応も考慮する必要があります。YouTuberのファン層と自社商品やサービスの購買客層がマッチするYouTuberを選びましょう。
3.3. 企画調整をする
YouTuberとのタイアップを行うためには、企画の調整が必要です。企画の内容によって、YouTuberの協力内容や紹介方法が異なってきます。
自社のターゲットに沿ったYouTuberを選定し、「ターゲットが求めるもの」「選定したYouTuberを生かした企画」「自社がアプローチしたいもの」が合致する企画内容を調整していくことが大切です。
3.4. 分析・振り返りをする
チャンネル運用をする際も分析・振り返りは重要ですが、タイアップにおいても配信した動画の分析と振り返りが非常に重要です。振り返って改善点を洗い出すことで継続的にブラッシュアップを行うYouTuberタイアップは、より効果的な手法になります。
効果的な分析や振り返りについては下記の記事をチェックしてみてください。
4. 実際に効果はあるのか?|タイアップ成功事例
4.1. 事例1|オハヨー乳業
オハヨー乳業は、商品の魅力を深く伝えるコミュニケーション手法の新たな確立としてYouTuberタイアップを実施。1組のYouTuberのみを起用するのではなく、広告塔となるYouTuberを起用しながら、さまざまな視点で「深く」訴求できるようにしました。信頼できるレビュアー、ターゲットへの喫食シーンの想起、音に特化して伝えるという異なる3つの軸を設定して、それぞれで影響力のあるYouTuberを選定することで実現しました。
タイアップ動画を活用したTureView広告も配信し、本施策後には店頭回転率は1.3倍、ブランド認知率は1.7倍まで成長しました。
▶︎詳細はこちらの事例記事からも見ることができます。
4.2. 事例2|ヘンケルジャパン
ヘンケルジャパンは、YouTuberとのタイアップにより、“アラフォー向け”ヘアケア商材の売上及び、Webサイト回遊率の改善に効果をもたらしました。
女性向けのヘアケア商材なので女性受けの良いYouTuberを選定しつつも、ビジネスモデルも踏まえた上で、小売店で流通担当になりうる30代以上の男性にも認知されるようなYouTuberを選定しました。
結果、ブランドサイトへの滞在時間が通常の4倍になり、直帰率も改善。ECサイトへの遷移率もこれまでの約3倍を記録し、認知拡大という点でも大きく寄与しました。
▶︎詳細はこちらの事例記事からも見ることができます。
4.3. 事例3|京セラ・NTTぷらら
京セラとNTTぷららは、YouTuberとのタイアップにより、圧力鍋の新規顧客の獲得に成功しました。販売する鍋のターゲット層を多く視聴者を抱えている、かつ商材と普段の動画のテイストがマッチするようなYouTuberを選定。
結果として、施策直後で目標数を超える販売数を記録しました。
▶︎詳細はこちらの事例記事からも見ることができます。
5. YouTuberタイアップを成功させるための戦略とコツ
5.1. ゴール設定は明確にする
3.1. でもお伝えしましたが、タイアップを成功させるためには、明確なゴール(目的)を設定することが必要です。目的に応じてYouTuberを選定し、企画や紹介方法を工夫することで、戦略立ても具体的になり、YouTuberタイアップをより効果的に行うことができます。
5.2. ターゲットも具体的に設定する
YouTuberタイアップでは、ターゲット層に合わせたYouTuberを選定することが必要です。具体的なターゲット層を設定し、そのターゲット層を視聴者にもつYouTuberを選びましょう。ターゲット層が明確になることで、どんなYouTuberを選定すべきか、どんな企画を出すべきなのかが検討しやすくなります。
例えば、10代なのか20代なのか、男性なのか女性なのか、職業や趣味嗜好などもイメージできると良いでしょう。
5.3. YouTube広告も利用する
YouTuberタイアップをする上で、「認知拡大」も目的とする場合は広告の運用も有効です。YouTube広告は飛ばされやすい、という印象がありますが、通常のYouTubeで配信されている動画を広告動画に活用する手法があります。これは広告っぽさを軽減させ、視聴者の広告動画の滞在時間を伸ばす効果が見込めます。
詳しい広告運用のコツについては、下記の記事をご覧ください。
5.4. 最適な振り返りをして次に生かす
YouTuberタイアップにおいても、振り返りが非常に重要です。では振り返りでは何を見るべきなのか?それは、「量」と「質」のそれぞれを見ることが大切です。
振り返りは「企画段階」から始まっているとも言えます。明確なゴール設定をすることで、最適な振り返りができる状態を作っていく必要があります。ゴールが定まっていないと振り返るべき項目や数値がわからず、次につながる振り返りができません。
振り返るべき「量」と「質」についての具体的な内容は下記の記事を参考にしてください。
6. まとめ|商材や目的にあったYouTuber選定を
YouTuberタイアップは、商品やサービスの認知度を高めることができる効果的な手法です。商材や目的にあったYouTuberを選定し、企画や紹介方法を工夫することで、より効果的なYouTuberタイアップが実現できます。
成功するYouTuberタイアップを行うためには、ターゲット層や目的に合わせたYouTuber選定が重要です。「自社が発信したいこと」「ターゲットが求めていること」「YouTuberが得意としていること」の3つが合致する企画を検討するようにしましょう。これがマッチしない場合は、いずれかを検討し直す必要があります。
また、YouTuberタイアップは継続的に行うことで、より商品の認知度を高め、販売促進に結びつけることができます。ただし、それには最適な振り返りと分析が必須になります。「量」と「質」の両面から振り返っていくようにしましょう。
今回は、YouTuberタイアップの基本をテーマにした記事でしたが、YouTuberタイアップをこれから始める方、やってみたけどいまいち効果が出ない方にとって参考になるものになっていたら幸いです。
YouTuberタイアップを含めたYouTubeマーケティング施策について、より詳しい話やエビリーの実績を知りたい方はぜひ下記よりお問い合わせください。