5分で振り返る!2025年1〜9月YouTubeに関する公式発表まとめ

月ごとに、YouTubeから公式発表された新機能や、機能追加について簡単にまとめました。このような機能により、YouTubeを運営する側が気をつけるポイントもまとめています。ぜひYouTube運用の参考にしてみてください。
※本記事は2025年10月時点の情報に基づき作成しました。
※本記事で紹介している機能には、テスト段階のものや、一部の国・地域でのみ提供されているものが含まれる場合があります。日本での正式な提供時期は異なる可能性があります。
目次
- 2025年1月〜Premium機能の実験的導入〜
- 2025年2月〜ファンとの交流を促進〜
- 2025年3月〜公式アップデートなし〜
- 2025年4月〜ローカル&グローバル対応の強化〜
- 2025年5月〜広告適合性の審査強化〜
- 2025年6月〜クリエイターツールの大型アップデート〜
- 2025年7月〜「トレンド」終了〜
- 2025年8月〜AIによる年齢推定テストの導入〜
- 2025年9月〜AI革命:制作から運用までを革新する新機能群〜
- まとめ(YouTube運用者視点)
- YouTube運用担当者向け:2025年最新トレンドの深掘り戦略
2025年1月〜Premium機能の実験的導入〜
YouTube Premiumの実験的機能
- 高速再生(最大4倍速)
- イントロなどを飛ばせる「Jump Ahead」ボタン
- AIが動画内で頻繁にスキップされるセクション(イントロ、長い間奏など)を特定し、その部分をワンタップで飛ばせるようにする
- 必要な情報だけを効率的に見たい場合に非常に便利な機能
- 高音質なオーディオ機能
- ショート動画(Shorts)のピクチャーインピクチャー
- ショート動画を視聴しながら、他のアプリを操作したり、スマートフォンのホーム画面を閲覧したりすることができる
- ショート動画をBGMとして再生したい場合や、別の作業をしながら手軽にコンテンツを楽しみたい場合に非常に便利な機能
- 「スマート一時保存(Smart Downloads)」という自動ダウンロード機能
- 視聴履歴や好みをもとに、AIが自動的に毎週約20本の動画を選んで、Wi-Fiに接続しているときにダウンロードしてくれる機能
- ネット環境がなくても視聴できる便利な機能
出典: The Verge
YouTube運用者が知るべきポイント
- プレミアム視聴者に向けたエンゲージメントやコンテンツ消費体験の多様化に対応し、イントロ構成や動画構成の再設計を行う必要がある
2025年2月〜ファンとの交流を促進〜
「コミュニティ(Community)」機能の拡大
- 従来のコミュニティタブが「Posts」として名称変更。Discord(主にボイスチャット、テキストチャット、ビデオ通話機能を持つ、多機能なコミュニケーションツール)のような形で、テキスト・画像投稿が可能
出典: The Verge
YouTube運用者が知るべきポイント
- ファンとの交流やエンゲージメントを促進する場として、更なる活用の価値がある。モデレーション(不適切なコンテンツや行為を管理・調整し、健全な環境を維持するための活動のこと)やインタラクティブな運営(双方向のコミュニケーション)重視も必要

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2025年3月〜公式アップデートなし〜
公式のアップデートなし。
2025年4月〜ローカル&グローバル対応の強化〜
自動位置タグ(Location Auto Tagging)
- 観光・レストラン系のショート動画(Shorts)に対し、タイトル・説明文から自動で位置タグを付与する機能の拡張
AI自動吹き替えの実験言語扱い解除
- ヒンディー語、インドネシア語、日本語の自動吹き替えが「実験的」から外れ、他の通常対応言語と同等扱いに
出典: Google ヘルプ
YouTube運用者が知るべきポイント
- ローカル視聴者へのリーチ強化や多言語対応が進展。地域特化のコンテンツ戦略や多言語展開に有効活用ができる
2025年5月〜広告適合性の審査強化〜
広告適合性の審査強化
- 新規動画に対しては非公開設定であっても、広告適合性の判断に数時間〜最大24時間の審査がかかる可能性がある
- 収益化しているクリエイターの動画が、広告掲載に適したコンテンツであるかを判断するために審査が強化された
出典: Google ヘルプ
YouTube運用者が知るべきポイント
- アップロードから収益化可能状態になるまで時間がかかる場合があるため、公開スケジュールやプロモーション計画に余裕を持つことを推奨する
2025年6月〜クリエイターツールの大型アップデート〜
YouTube Studio(クリエイター向けのツール)のアドバンスド(上級)モードが刷新
- ナビゲーション改善やレイアウト刷新により、より詳細で直感的に見やすいデータ閲覧が可能になった
出典: Google ヘルプ
ショッパブルShortsのステッカー化
- 商品タグをつけた短尺動画に対して、Shoppingボタンではなく“Shopping product sticker”として視覚的に表示
- YouTubeショート動画のショッピング機能を強化するために導入された新しい機能
出典: Google ヘルプ
コミュニティ機能へのアクセス拡大
※1 投稿機能(Posts)にアクセスできるクリエイターとは
・チャンネル登録者数が500人以上であること
・上級者向け機能が有効になっていること
(過去のチャンネルの利用実績、または電話番号や身分証明書、動画による本人確認などを行い、「上級者向け機能」が有効になっていること)
・チャンネルが健全であること
(YouTubeのコミュニティガイドラインの違反警告(コミュニティガイドライン ストライク)が有効になっていないこととチャンネルが停止されていないこと)
出典: Google ヘルプ
その他ソーシャル系実験機能
- ショート動画(Shorts)内で見たものを検索できる機能(ベータ版)
- ショート動画を視聴中に、画面に映っている特定のアイテム(例えば、洋服、家電、建物など)をAIが自動で認識し、そのアイテムに関する情報を直接検索できる機能
- 「Open Call」機能
- 企業がクリエイターに対して、動画制作の依頼を公開募集できる
- タイトルテスト(A/Bテスト)の試験(限定的なベータテスト)
- クリエイターが動画の公開前に、最も視聴者の興味を引くタイトルとサムネイルの組み合わせを特定するための機能
- コメントスレッド機能(テスト)
- コメント欄をより整理し、会話を促進するための機能
- 具体的には、これまでのコメントスレッドは、トップレベルのコメントと、それに紐づく返信が一直線に並ぶ形式。特にコメント数が多い動画では会話の流れを追うのが難しいという課題があったため、スレッド形式等の改善が行われた
- HeyOrca 上でのショート動画制作支援。
- クリエイターがHeyOrcaのプラットフォーム上で、複数の静止画(写真)をアップロードするだけで、AIが自動的に音楽やトランジション(画面切り替え)を加えて、YouTubeショート動画として完成させる機能 ※本機能はHeyOrcaのプラットフォーム内で提供されており、YouTube Studioに直接統合されているわけではない
YouTube運用者が知るべきポイント
- クリエイターと視聴者の接点強化、視聴データを分析、クリエイティブを最適化など、運用戦略に幅広く活用できる
2025年7月〜「トレンド」終了〜
「トレンド(Trending)」ページの終了
- グローバルなトレンド表示ページが廃止され、カテゴリ別チャートやExploreページの強化、AIを活用した発見機能に置き換え。
YouTube運用担当者が知るべきポイント
- 一律掲載より、視聴者の興味に応じたニッチな露出の機会が増加。カテゴリ別の上位表示やExplore最適化、AIレコメンデーションに対する対策が重要。
2025年8月〜AIによる年齢推定テストの導入〜
AIによる年齢推定・年齢確認テスト(米国限定、試験導入)
- ログインユーザーに対し、閲覧履歴や検索履歴、アカウント年齢などからAIが年齢を推定。18歳未満と判断された場合、個人最適広告を停止、デジタルウェルビーイング機能を強制起動、成人向けコンテンツへのアクセス制限を実施。
- 誤判定時は、政府発行ID、クレジットカード、セルフィー等での年齢確認で修正可能。
YouTube運用担当者が知るべきポイント
- 視聴者の年齢によって表示コンテンツに差が出る可能性あり。特に若年層向けチャンネルでは影響を注視し、コンテンツ表示・収益構成の変化にも対応が必要
2025年9月〜AI革命:制作から運用までを革新する新機能群〜
ショート動画のAI生成機能
- Googleの高度な動画生成AI「Veo 3 Fast」をYouTubeショートに統合。テキストを入力するだけで、背景動画や短いクリップを音声付きで無料で作成できるように。さらに、動画に動きを加えたり、スタイルを変更したり、物体を追加したりすることも可能になる。
AI編集アシスト「Edit with AI」
- 撮影しただけの動画素材から、AIが自動で編集し、初稿を作成してくれる機能。
セリフを歌にする「Speech to Song」
- 動画内の話し言葉を、AIがユニークなサウンドトラックに変換
YouTube Studio向けAIチャットボット「Ask Studio」
- クリエイター向け管理ツール「YouTube Studio」内に搭載されるAIチャットボット。動画のパフォーマンス分析や、視聴者の反応、さらには編集スタイルの改善提案などを、対話形式でAIに質問が可能。
AIによる自動吹き替えの進化
- 従来の自動翻訳・吹き替え機能にリップシンク技術が追加。これにより、吹き替え音声と話者の唇の動きがより自然に一致するように。
AIによるライブ配信ハイライト
- ライブ配信のアーカイブから、AIが自動的にハイライトシーンを抽出し、ショート動画として簡単に公開が可能。
ポッドキャスト向けAIツール
- 音声のみのポッドキャストから動画を生成したり、長編エピソードからAIの提案に基づいた短いクリップやショート動画を簡単に作成したりできる。
過去最大規模のライブ配信のアップデート
- 練習モード:
- 実際に配信を開始する前に、設定の確認や機能のテストができるように。
- プレイアブル機能:
- 配信者が75種類以上のゲームを配信中にプレイし、視聴者とチャットを通じて交流できる新機能。
- 縦型・横型の同時配信:
- 1回の配信で、スマートフォン向けの縦画面と、PCやテレビ向けの横画面の視聴者に同時に配信できるように。チャットも共有。
- ライブリアクション機能:
- 他のクリエイターのライブ配信やイベントに対して、自身のリアクションを縦型ライブで配信できるように。
新応援機能「Hype(ハイプ)」
- 視聴者が週に3回まで、公開から7日以内の動画(チャンネル登録者数500〜50万人などの条件あり)を無料で「ハイプ」して応援できる機能。ハイプされた動画はランキング形式で表示され、新たなクリエイターが注目される機会を創出。
クリエイター保護ツールの拡充
- 自分の顔が無断でAIによって使用された動画を検出・管理し、削除リクエストを出せる「Likeness detection tool」の対象が、YouTubeパートナープログラム参加の全クリエイターに拡大。
音楽ファン向け機能
- アーティストの新作リリースのカウントダウンを表示したり、事前に楽曲を保存したりできる機能などが追加。
運用担当者が知るべきポイント
- AIによる「制作の効率化」と、新機能による「エンゲージメントの多様化」への対応
- AI動画生成や編集アシストを活用し、少ないリソースでショート動画や複数言語対応コンテンツを量産する体制を構築することが重要。
- ライブ配信のアップデートや新応援機能「Hype」を駆使し、視聴者との双方向コミュニケーションを強化。公開初期のエンゲージメントを最大化させる戦略が、チャンネル成長の新たな鍵となる。
まとめ(YouTube運用者視点)
AIとインタラクション
自動吹き替え、高速再生、AI制作機能(画像→動画AIなど)、年齢推定AIなど、AIによるサポートと制約が本格化。制作体制やコンテンツ設計にAI対応力が不可欠。
コミュニティ強化
「コミュニティ(Posts)」や「Open Call」など、視聴者との直接交流・コラボ機会が増加。ファンとの接触点を如何に戦略的に活かすかが鍵。
収益化・発見性の変化
「ショッパブルShorts」「Premium機能」「Ads審査強化」「Trending廃止によるアルゴリズム依存」など、マネタイズと視聴導線の最適化がより高度に求められる。
柔軟対応力の重要性
機能が迅速に追加される中、運用担当者はテスト導入に敏感に反応し、A/BテストやCommunity機能などを戦略的に取り入れて差別化を図る必要あり。
YouTube運用担当者向け:2025年最新トレンドの深掘り戦略
1. AIによる制作・管理の効率化と品質向上
2025年はAIが運用に欠かせないツールとなっています。単なる機能としてではなく、制作プロセスに組み込むことが重要です。
- 自動吹き替え機能の活用: 日本語コンテンツを公式に対応した言語で吹き替えることで、新しい市場の視聴者にリーチできます。これを活用することで、ターゲット層を国内からアジア圏に広げ、視聴回数やチャンネル登録者の増加を狙う戦略が立てられます。
- AIによるクリエイティブ制作: 写真から動画を生成するAI機能を活用すれば、静止画素材だけでも魅力的なショート動画を大量生産することができます。特に、既存のブログ記事やSNSに投稿した画像を再利用することで、コンテンツ制作にかかる時間とコストを大幅に削減できます。
2. コミュニティ機能の強化と「ファン」との関係構築
従来の「コミュニティタブ」が「Posts」に名称変更されたことで、テキストや画像投稿の柔軟性が増し、よりDiscordに近い交流が可能になりました。これは、一方的な情報発信ではなく、双方向のコミュニケーションを強化するチャンスです。
- エンゲージメントの促進: 運用担当者は、ファンとのQ&Aセッション、コンテンツの舞台裏、次の動画企画に関するアンケートなどを積極的に投稿すべきです。これにより、ファンはチャンネル運営に参加している感覚を味わい、ロイヤルティ(忠誠心)が高まります。
- 「Open Call」機能の活用: ブランド案件をクリエイターにオープンに依頼できる「Open Call」機能は、新しい収益の機会となり得ます。チャンネルのジャンルと親和性の高い案件に応募することで、広告収入以外の新たな収益の柱を構築できます。
3. 収益化と発見性のアルゴリズムへの最適化
「トレンド」ページの廃止は、画一的なトレンド動画を追いかけるのではなく、アルゴリズムを味方につける重要性を示しています。また、広告適合性の審査強化により、公開スケジュールに余裕を持つ必要があります。
- ニッチなカテゴリでの露出: 視聴者の興味に応じたニッチなコンテンツが評価される傾向が強まっています。特定のテーマに特化したコンテンツを深く掘り下げることで、熱心なファンを獲得し、AIによるレコメンデーションに乗りやすくなります。
- ショッパブルShortsの活用: 商品タグが「Shopping product sticker」として視覚的に表示されるようになりました。この機能を活用し、視聴者が動画を視聴しながらシームレスに商品を購入できるような導線を設計することで、動画から直接的な売上を生み出すことが可能です。
- 公開スケジュールの調整: 広告審査に時間がかかる場合があるため、アップロードから公開までの期間に余裕を持たせることが重要です。特にプロモーションを予定している動画は、公開日の24時間以上前にアップロードすることを推奨します。
2025年のYouTube運用は、単に動画を投稿するだけでなく、AIを始めとする新機能の戦略的な活用、コミュニティの活性化、そしてアルゴリズムの理解が鍵となります。これらの点を踏まえ、柔軟に戦略を立てることが、今後の成功を左右するでしょう。