アパレル大手の事例から学ぶ!YouTube成功で得られた5つのメリット ~ベイクルーズのYouTube運用成功事例を徹底解剖~

近年、アパレル業界においてYouTubeの活用が急速に広がっています。消費者が商品を購入する際、実際の着用イメージやコーディネート例を参考にすることが増えており、動画コンテンツがブランドの認知向上や販売促進に大きく貢献しています。特にYouTubeは、InstagramやTikTokと異なり、長尺の動画で商品の特徴やブランドストーリーを深く伝えられるため、ファッション業界にとって重要なマーケティングツールとなっています。
本セミナーでは、アパレル大手のベイクルーズがYouTube運用を成功させた事例をもとに、その導入から成長、成熟に至るまでのプロセスを詳しく解説しました。特に、YouTubeを活用することで得られた具体的なメリットに注目し、企業がどのように動画コンテンツを戦略的に活用すべきかを学ぶことが目的です。本記事では、セミナーの内容をもとに、YouTube運用の成功要因とその効果について深掘りしていきます。
目次
- YouTube運用を始める前の課題
- ① ブランドごとにバラつきがあったブランディング
- ② 制作会社との連携の難しさ
- YouTube成功のプロセス:導入期・成長期・成熟期
- 導入期:試験的な動画制作からスタート
- 成長期:ヒット企画の誕生
- 【プレスプレビュー】プレス向け展示会の様子を視聴者に届ける動画
- 【出社服】アパレル社員のリアルなコーディネート紹介
- 【骨格診断】意外なヒットを生んだデータ活用企画
- 成熟期:ブランド価値の向上と社内外への影響
- 社員のファン獲得と販売促進
- 採用活動への貢献
- 企業ブランドの発信強化
- YouTube運用で得られた5つのメリット
- ① 公式チャンネルを軸としたブランド認知の拡大
- ② 社員へのファン化促進による売上向上
- ③ 企業ブランディングの統一と強化
- ④ 社員のモチベーション向上と社内評価の向上
- ⑤ 採用活動への好影響
- YouTube運用成功のためのアドバイス
- ① アンチコメントは気にしすぎない
- ② 流行を盲信せず、ブランドに合った企画を選択する
- YouTube活用の未来と可能性
- エビリーによるサポート体制と特典の紹介
YouTube運用を始める前の課題
ベイクルーズがYouTube運用を本格的に始める前、同社は2つの大きな課題を抱えていました。

① ブランドごとにバラつきがあったブランディング
ベイクルーズは複数のブランドを展開しており、それぞれが独自にYouTubeチャンネルを運営し、個性を活かした発信を行っていました。しかし、グループ全体としてブランドを横断できる公式チャンネルがなく、各ブランドの魅力をより広く届けるための仕組みが不足していました。そこで、各ブランドの発信を後押ししながら、グループとしての一体感を高める公式チャンネルの必要性が高まっていたのです。
② 制作会社との連携の難しさ
YouTube運用を外部の制作会社に依頼していたものの、社内の担当者との意思疎通や企画調整に課題がありました。特に、企画立案や編集の段階で細かい要望が伝わりにくく、ブランドイメージに合わない動画が仕上がるケースもあったといいます。また、撮影スケジュールの調整や進行管理にも手間がかかり、スムーズな運用が難しい状況でした。
こうした課題を解決するため、ベイクルーズはYouTube戦略を見直し、新たな取り組みをスタートさせました。次の章では、その導入プロセスについて詳しく解説します。
YouTube成功のプロセス:導入期・成長期・成熟期
YouTube運用の成功には、段階的なプロセスがあります。ベイクルーズは、まず試験的な動画制作からスタートし、ヒット企画の開発を経て、最終的にブランド価値を向上させる成熟期へと移行しました。ここでは、それぞれのフェーズでの具体的な取り組みを解説します。
導入期:試験的な動画制作からスタート
ベイクルーズがYouTube運用を本格的に始めるきっかけとなったのは、試験的に制作した1本目の動画が大きくバズったことでした。この動画は公開後1か月で5万回再生を超え、現在では15万回以上の視聴回数を記録しています。視聴者の反応も良く、「もっと見たい」という声が多く寄せられたことから、継続的な運用を決定しました。
この成功の裏には、企画の工夫と制作体制の確立がありました。まず、ターゲット層に合ったコンテンツを提供するため、市場分析をもとにトレンドを取り入れた企画を立案。また、撮影や編集の段階でブランドの世界観をしっかりと反映させるようにし、品質の高い動画を制作する体制を整えました。
成長期:ヒット企画の誕生
YouTube運用を軌道に乗せるためには、継続的に視聴者の関心を引くコンテンツを提供する必要があります。そこで、試行錯誤の末に誕生したのが、以下の3つのヒット企画です。
【プレスプレビュー】プレス向け展示会の様子を視聴者に届ける動画
半年に一度開催されるプレス向け展示会の様子をYouTubeで公開。これまでクローズドな場でしか見られなかった情報を視聴者に届けることで、ブランドのプレミア感を演出しました。また、シーズンが変わるタイミングで再視聴されることが多く、長期的な視聴回数の伸びにも貢献しました。
【出社服】アパレル社員のリアルなコーディネート紹介
社員が実際にどのような服装で出社しているのかを紹介する企画。視聴者にとって身近でリアルなコーディネートが参考になることから人気を集めました。また、動画内で登場する社員が注目を浴び、ファンを獲得することにも繋がっています。
【骨格診断】意外なヒットを生んだデータ活用企画
ベイクルーズの公式サイトにある骨格診断コンテンツをYouTubeで展開。データ分析ツール「kamui tracker」を活用し、YouTube市場での関心の高さを確認した上で企画化しました。
当初、ベイクルーズの担当者は慎重な姿勢を見せていましたが、kamui trackerのデータを根拠に需要があることを確認し、実施の判断をしてくださいました。結果、分析通りにしっかりと伸び、多くの再生回数を獲得。データに基づく戦略的な判断が成功につながった好例となりました。
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成熟期:ブランド価値の向上と社内外への影響
運用開始から一定の期間が経過し、YouTubeチャンネルが成長するにつれて、ブランド価値の向上や社内外への影響が顕著になりました。
社員のファン獲得と販売促進
動画に出演した社員のSNSフォロワーが増えたり、店頭でファンに声をかけられたりするケースが増加。視聴者が特定のスタッフを目当てに来店し、購買につながる場面も見られるようになりました。
採用活動への貢献
YouTubeを通じて社内の雰囲気が伝わることで、「この会社で働きたい」という求職者が増加。実際に動画を見て入社を希望するケースも確認されています。
企業ブランドの発信強化
これまでブランドごとに行われていたYouTube運用に加え、公式チャンネルの成長により、企業としてのメッセージも発信できるようになりました。これにより、各ブランドの魅力を活かしつつ、グループ全体としてのブランディングをより強固にできました。
ベイクルーズのYouTube運用は、試験的なスタートからヒット企画の開発、ブランド価値の向上へと進化を遂げました。この成功プロセスは、他の企業がYouTube運用を検討する上での貴重な参考事例となるでしょう。
YouTube運用で得られた5つのメリット
ベイクルーズがYouTube運用を本格化させたことで、企業にとって多くのメリットが生まれました。特に以下の5つのポイントは、単なる動画の発信にとどまらず、事業全体にポジティブな影響を与えています。
① 公式チャンネルを軸としたブランド認知の拡大
YouTubeチャンネルの成長に伴い、視聴回数や登録者数が増加し、ブランドの認知度向上に大きく貢献しました。以前は各ブランドごとに分散していた情報が、公式チャンネルを軸に集約されることで、消費者に一貫したブランドメッセージを届けられるようになりました。さらに、新たに注力したいブランドや新作の発信にも活用できるようになり、YouTubeがマーケティングツールとして不可欠な存在となっています。
② 社員へのファン化促進による売上向上
YouTubeに登場する社員が視聴者から注目されることで、ブランドの魅力を伝えるだけでなく、「この人が紹介していた服を買いたい」という購買意欲を喚起する効果が生まれました。特に、ショップスタッフが出演する動画では、視聴者が直接店舗を訪れ、動画内で紹介された商品を購入するケースも増加。さらに、出演したスタッフのSNSフォロワーが急増し、YouTubeを通じた「個人のファン化」がブランドの売上向上にも寄与しました。
③ 企業ブランディングの統一と強化
以前はブランドごとにバラバラにYouTube運用を行っていたため、一貫性のあるブランディングが難しい状況でした。しかし、公式チャンネルを軸に統一することで、企業全体の方向性を明確にし、ブランドイメージを強化。特に、各ブランドのプロモーション施策が相乗効果を生み出し、より効果的なマーケティング戦略を展開できるようになりました。また、動画制作の方針やクオリティ管理が統一され、視聴者にとっても信頼性の高いチャンネルへと成長しました。
④ 社員のモチベーション向上と社内評価の向上
YouTubeへの出演が社員の新たな活躍の場となり、モチベーション向上にもつながりました。特に、出演した社員がSNSでのフォロワー増加を実感したり、視聴者からのポジティブなコメントを受け取ったりすることで、自身の仕事に誇りを持てるようになったという声も多く聞かれました。また、社内評価においても、YouTubeを通じてブランドの認知拡大や売上向上に貢献した社員が評価されるケースが増え、より積極的に動画に関わる文化が醸成されました。
⑤ 採用活動への好影響
YouTubeを通じて、企業の雰囲気や社員のリアルな姿が伝わることで、採用活動にもプラスの影響を与えました。実際に「YouTubeを見て入社を決めた」という応募者が増え、企業の魅力を伝える新たな採用ツールとしての役割も担うようになりました。特に、新入社員の紹介や入社式の様子を動画コンテンツとして発信することで、求職者にとって身近な存在となり、企業への興味を持つきっかけとなっています。さらに、YouTubeの影響力が人事部門にも認識されるようになり、採用施策としての活用が進んでいるのも大きな変化です。
YouTube運用を本格化させたことで、単なるプロモーションの枠を超え、ブランドの成長・売上向上・社内の活性化・採用強化といった多面的なメリットが生まれました。これらの成果は、YouTubeが単なる広告媒体ではなく、企業の重要な資産となることを示しており、今後もさらなる可能性を秘めています。
YouTube運用成功のためのアドバイス
YouTube運用を成功させるためには、単に動画を投稿するだけではなく、継続的に運用し、ブランドに合った戦略を取ることが重要です。ベイクルーズのYouTube運用から得られた2つの重要なアドバイスを紹介します。
① アンチコメントは気にしすぎない
YouTubeを運用する上で、どうしても避けられないのが「アンチコメント」です。どんなに質の高いコンテンツを制作しても、一定数の否定的な意見が寄せられるのはYouTubeの特性上、仕方のないことです。
しかし、ベイクルーズのYouTube担当者は、「アンチコメントを過度に気にしすぎないことが大切」と強調しています。批判的なコメントが寄せられたとしても、それは視聴者が関心を持っている証拠でもあります。実際、アンチコメントが少数ある一方で、ポジティブなコメントの方が圧倒的に多いため、視聴者の声全体のバランスを意識することが重要です。
また、ネガティブなコメントの中にも、動画の改善につながるヒントが隠れていることがあります。運営側が一方的に落ち込むのではなく、「次回はこの点を改善してみよう」と前向きに捉えることで、より良いコンテンツ作りに繋げられます。
② 流行を盲信せず、ブランドに合った企画を選択する
YouTubeでは、常に流行のコンテンツやトレンド企画が話題になります。しかし、単に「流行っているから」といって安易に取り入れるのではなく、自社のブランドや企業イメージと照らし合わせながら慎重に判断することが大切です。
例えば、YouTubeのファッションジャンルでは「爆買い動画」などが人気ですが、ベイクルーズはこの企画を採用しませんでした。その理由は、同社のブランドイメージと方向性に合わなかったからです。むやみにバズを狙うのではなく、長期的なブランド価値を考慮しながら、慎重にコンテンツの取捨選択を行うことが求められます。
ただし、トレンドを完全に無視するのではなく、市場の流れを分析し、自社ブランドに合う形で応用することは重要です。ベイクルーズはデータ分析ツール「カムイトラッカー」を活用し、YouTube市場での需要を確認した上で「骨格診断」という企画を採用。この結果、ブランドの価値観を維持しながらトレンドに乗ることに成功しました。
YouTube運用では、視聴者の反応を過度に気にしすぎず、ブランドの方向性に沿った適切なコンテンツを選ぶことが成功の鍵となります。ベイクルーズの事例から学べるのは、短期的なバズにとらわれず、長期的な視点で運用を続けることの重要性です。これからYouTubeを活用しようと考えている企業にとって、これらのポイントを押さえることが、成功への近道となるでしょう。
YouTube活用の未来と可能性
近年、YouTubeは単なるエンターテインメントの場を超え、企業のマーケティングにおいて重要な役割を担うようになりました。特にアパレル業界では、ブランドの世界観や商品の魅力を視覚的に伝えられるため、効果的なプロモーションツールとして注目されています。ベイクルーズの成功事例からもわかるように、YouTube運用はブランド認知の向上、売上促進、社員のモチベーション向上、さらには採用活動の強化にまで影響を与えます。
しかし、成功するためには、ただ動画を投稿するだけではなく、戦略的な運用が欠かせません。ターゲットに合ったコンテンツを企画し、データ分析をもとに最適な施策を実行することが求められます。そのためには、社内でのノウハウの蓄積や、適切な制作体制の構築が重要になります。
エビリーによるサポート体制の紹介
YouTube運用において「何を発信すればいいのかわからない」「どうやって視聴回数を伸ばせばいいかわからない」「効果的な企画の立案が難しい」といった課題を抱える企業は少なくありません。そこで、エビリーではYouTube運用をトータルサポートする体制を提供しています。
エビリーのサポート内容には、以下のようなものがあります:
- 市場データを活用した企画立案
- 動画制作のディレクション・撮影・編集
- YouTubeチャンネルの運用代行
- インフルエンサー・キャスティングの支援
- 広告戦略を含めたプロモーション施策
YouTubeを活用することで、企業は単なる広告としてではなく、ブランドのファンを増やし、より深い関係を築くことができます。今後のマーケティング戦略において、YouTubeの可能性を最大限に引き出すことが、企業の成長に直結する鍵となるでしょう。